![]() | 考具―考えるための道具、持っていますか? (2003/03) 加藤 昌治 商品詳細を見る |
●ワクワクしませんか?楽しいですよ、考えるのって。
●やってみると分かること、が実はたくさんあるんですね。
●行きつ戻りつの試行錯誤がない企画もまたパワーがないのです。
ビジネス書を何冊も読んでると、いろんな著者に参照されている本があることに気づく。それはいわばビジネス書の世界の「古典」のようなもので、『7つの習慣』とか『人生を変える80対20の法則』とか。本書はそこまでの「古典度」はないけれど、今まさに「古典」になりつつあるような本なんじゃないかな。たくさんのビジネス書が本書について触れていて、読んでみるとそのことに深く納得させられる。
いやはや、一言で言えば網羅的。情報をインプットするための「考具」(メモの必要性やフォトリーディングなど)から、そのアイデアを展開するための「考具」(マインドマップやブレーンストーミングなど)まで盛りだくさん。さらには企画としてプレゼンする方法や行き詰ったときのアドバイスなどなど、どっかの「発想本」でかいつまんで紹介されていたものばかり。あんないっぱい読まなくても、これ一冊読んでたら済んだんじゃないの、と一瞬思わされたほどで。いやほんと、こりゃ「古典」たりうるわ。
ちなみに僕の考える「古典」ってのは、決して「昔に書かれたものだから、今は古臭いもの」ではない。そうではなくて、むしろ最大級の褒め言葉と言ってもよく、「時間という最も辛辣な批評家のお眼鏡にかなった、極めて高い品質を持つもの」のこと。本にせよ歌にせよ映画にせよ、ちょっといいな〜と思ったものでも、時が経つにつれて「その他大勢」に埋もれていってしまうんだよね。時間ってのはほんと厳酷だ。
そんな時間の激烈な攻撃を受け続ける中で、本書があとどれくらい「もつ」のか僕にはわからない。5年後に本書を思い返す人がはたして何人いるか、はなはだ心もとないところ。だけど本書の「考えるための道具を持たなきゃいけない」というメッセージ、それから実際紹介されている思考方法(考具)ってのは、適宜修正と発展を繰り返し、いろんな媒体に乗り換えながら後世にまで伝えられていくと思う。さながらDNAが生物の体を乗り物にしつつ、その保存を試みるように。
そしていつでも、考えることがワクワクと楽しい時代であって欲しいなあ、とも同時に思うんだ。
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![]() | 雑学力 人より稼げるムダ知識の見つけ方 (2004/03/01) 和田 秀樹 商品詳細を見る |
●スペシャリストに対する幻想を捨てて、何でも知っている人間になろうとする貪欲さがあるほうが、世の中への順応性も高いのではないでしょうか。
●ベースになる知識がほどいろいろな推論をすることができ、それだけ優れた解決策を見つけ出す可能性も高くなるということです。
●誰もが信じているようなことをわざわざ疑って、人と違う視点でものを見ていればこそ、誰も知らないとっておきの雑学に出会うこともあるのです。
ここ半年くらいかな、テレビのクイズ番組が異様に多いよね。もともとクイズ番組は好きなジャンルではあるものの、これだけ氾濫するとさすがにうんざりしてしまう。はたして世間は雑学ブームなんだろうかねえ。
本書は雑学の効用を滔々と述べたものだけれど、もちろんクイズ番組的な「マメ知識」を賞賛しているわけではない。「頭の中に入っている知識が多く、幅広いこと」に加えて、「それらの知識を整理し、つなぎ合わせる」能力が、「雑学力」とのこと。一分野にのみ優れているスペシャリストは、ともすれば「専門バカ」に陥る可能性がある。「雑学力」を鍛えることで、ジェネラリストを目指してみよう。さまざまなスペシャリストを使いこなせる人間こそ、ジェネラリストなのだから。本書はそんな主張をしつつ、雑学の集め方や整理の仕方を述べてくれている。
こんなこと言ってると、「じゃあスペシャリストとジェネラリストとどっちの方がいいんだ?」なんて話になってくる。ばかげた問いだ。どっちも大事に決まってるじゃないか。どちらも一定数存在して、はじめて世間はうまくまわる。どちらかの方が本質的に優れている/劣っているなんてことはありえない。常識的に考えて。
そう考えた上で――僕はジェネラリストに憧れる。その理由はいくつかあるのだけど、いちばん大きな理由は「つながる」ってことを経験できるから。あっちのスペシャリストとこっちのスペシャリストが言っていたことを自分なりに噛み砕いたら、あ!つながった!こんな考えがあるんじゃないか!みたいなことができるのはジェネラリストならではのことだし、それこそが最もジェネラリストに求められることだと思う。「つながる」ときの快楽って、僕にとっては何物にも変えがたいものなんだ。
それにしてもジェネラリストって、スペシャリストより定義が曖昧だよね。「これがわかっていたらOK」みたいな枠がないから、どうやったら到達できるのかがぼんやりとしている。うーん、とりあえずは本でも読むか。
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![]() | いい仕事の仕方 (PHP新書 479) (2007/09/15) 江口 克彦 商品詳細を見る |
●仕事を面白く楽しもうと思えば、それなりに努力と工夫がいる。
●テーマが明確であれば、情報は収集しやすい。ただし、自分の都合のよいものばかりを集めてはならない。
●二十代は上司の影響を大きく受ける。上司の期待に応えるべく頑張れば、能力は限りなく開発される。
「いい仕事をしたい」ってのはたぶんほとんどの人に共通する願いのはずだ。たとえ今の仕事になんの愛着もわかず、仕事をただ生活のための手段と割り切っている人であっても、せっかく人生の多くの時間を費やすのだから「いい仕事」であるほうがより良いな、という感覚には共感できることと思う。
じゃあ「いい仕事」って何なんだろう?「自分が満足し、周囲の人々も喜び、多くの人たちも納得してくれる仕事」のことだと本書は言う。うん、この考えには納得できるな。本書は「いい仕事」のためにはそれなりにコツがあるとし、少々テクニック的なことは紹介しているものの、基本的には「よりよく生きる」とか「誠実であれ」とか、現代では忘れられつつある「美学」が述べられている。著者は昭和15年生まれの68歳。う〜ん、そんな感じだ。
今「現代では忘れられつつある」と書いたけど、昔(40年くらい前)はほんとにそんな「美学」があったのか?過去を懐かしんで美化してるだけなんじゃないの?という突っ込みが入るかもしれない。そのあたり、いかんせん僕は若造なもんで経験なくて弱いんだよね。それでも、きっと今よりはあったのではなかろうかって想像してるんだ。
なぜなら、昔は今よりも「便利」ではなかったから。今ではクリック一発でできるような仕事が、何人もの人の手によって為されなければならなかった。そんな中じゃ、きっと自分の「役割」は誰にとっても明確で、それゆえ自分が必要であること、そしてみんなにとって「あの人」も必要であることがはっきりと見えてたんじゃないかな。だから自分の労働(ビジネスとか家事とかにかかわらず)に誇りが持てる。「誇り」に付随するいろんな「美学」は比較的持ちやすい時代だったはずなんだよね。
だから今はダメだって言うつもりはない。「便利」ってのは素晴らしいことだ。だけど「便利」と引き換えに失ってしまったものに、ときには思いを馳せる必要もあるんじゃないかって僕は思う。そこから現代をどう捉え、未来をどう構想するか。それはあなた次第で。
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![]() | 「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる (1998/11) 永守 重信 商品詳細を見る |
●人並みの能力を持つ人材を採用して、彼らの意識を高めることに全力を傾注する。
●「ベストを求めず、徹底的にベターを追求する」というのがわたしの経営哲学であり、人材面でもこの精神を貫いてきた。
●敗者の集まりを勝者の集まりに変えた集団と、最初から勝者の集まりである集団とでは、イザというときに脆さを露呈するのは果たしてどちらの集団であろうか。
永守重信さんは知る人ぞ知る(!)日本電産の創業者。経営不振に陥った会社を買収しつつも、人員減らしを行わないことで知られている。な〜んていう「人を大切にする」って断片的な情報だけを知っていたので、てっきり温厚な好々爺のイメージを持ってたんだけど、全然違うんだねえ。妥協を許さない、極めて厳しい人。改められた彼のイメージはそんな感じだ。本書はその永守さんの経営哲学がギュッと詰まった本。
非常に重みのある箴言が散りばめられる中、修羅場をくぐり抜けてきたんだろうねえ、狷介な性格が垣間見れて楽しい。特に叱り方にはこだわりがあるようで、怒鳴ったりアフターフォローをしたり、いやはや、人間くさい人。一方、突っ込みどころもいくつかありまして。例えば、学歴には一切こだわらずに仕事を与えるといいながら、血液型を考慮して配置する、とかね。え〜!!そんなら学歴を見たほうがまだ健全なんじゃないの〜!!なんてひっくり返りそうになったりして。まあ、そういった意味も含めて「面白い」本だった。紹介いただいた優希さん、ありがとうございました!
それにしても、何でも1番じゃなきゃイヤだとか、1年365日働いてるとか、個性があるってのはこういう人の事を言うのだなあとしみじみ。今からシステムを変えて、「個性を伸ばす教育」に特化したとしても、永守さんを意図的に生み出すのは不可能だろうね。まあ学校で「個性を伸ばす教育」を目指すなんてナンセンスだし、そもそも個性なんて本質的にそんないいもんでもないと僕は思ってるんだけど。
そのあたりのところいずれ詳しく書くとして、人を動かすには人間的魅力が不可欠であることは再認識。永守さんのようにどっか極端なところを持つ人ってのは、な〜んか強烈に惹きつけられるものがあるよね。僕は「中庸」を志すものだけど、「ところどころ極端」ってのも、人を惹き付けるためには捨てがたい要素だなあと痛感させられた次第で。
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![]() | 謎の会社、世界を変える。―エニグモの挑戦 (2008/03/14) 須田 将啓田中 禎人 商品詳細を見る |
●本当に毎日が楽しい。日曜の夜になると「早く会社行きてえな」と思うほど、それぐらい楽しい。それは基本的に人に仕事をやらされていないからだ。
●社員がどれだけ増えても、「いい意味での遊び感覚を大切にしよう」というエニグモのカルチャーは変わらない。
●法律に違反しなければ問題ないという考え方もあるが、法律の抜け道を見つけて、かいくぐったとしても、「法の精神」に反していると、最終的には、なんらかの法律でペナルティが課せられたり、法改正が行われたりする。
「エニグモ」なんてはじめて聞いたなあ。「その世界」じゃかなり注目されている会社らしいけど。ネットを駆使した世界初のサービスを何個も立ちあげて、世界を席巻している(?)ベンチャー企業だ。本書はその「エニグモ」の誕生前夜から現在に至るまでの、挫折あり苦労あり、そして感動ありの成長物語。創業当時の4人が入れ替わり立ち替わり章を執筆する構成で、そのバラバラ感も面白い。さながら伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』のようで(ウソです)。
感嘆するのは、彼らの行動の早さ。「いいアイデアがあるぞ」となれば、とにかくスピード勝負とすぐに動き出す。いわゆる「ハインリッヒの法則」をアレンジして「同じアイデアを300人が思いつけば30人が実際に行動して、成功するのは1人」なんて話が本書にあったけど、なるほどなあと思わされるのだ。起業を視野に入れている人は刮目して本書を読もう。彼らの行動に、きっと触発されるはずだから。
たぶん「思い立って即行動」であるがゆえに、彼らは実に楽しそうに働く。その記述を見ると、まるで遊びの延長線上のようにね。そして僕は考えるんだ。仕事でもっとも高いパフォーマンスを出せる姿勢ってどんなときだろう?それは「なんとなく面白そうだから手をつけてみた」ってときなんじゃないかなって。もちろん彼らには夢もあるし、理想も理念もある。だけどそれ以上に、「面白そう!」って好奇心が先立ってるように感じられるんだよね。
起業に成功する人って、この「面白がる能力」に長けてるのだと僕は思う。理念でガチガチにならず、効率化の観念で硬直せず、うまく力が抜けた状態を、「面白がる」ことは作り出す。だからこそ、ベンチャーの創業者たち、そしてそこがまだ「零細企業」の頃に集まってきた人たちは強いんだろうな。
僕は彼らに比べてどの程度仕事を面白がってるんだろう。もっともっと、毎日いろんな出来事を面白がって仕事に取り組みたいなって思わされる本だった。ほんと、嫌になるくらい、僕には足りないところがたくさんあるんだよねえ。
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